【3パターン解説】海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

理系の海外大学院

【3パターン解説】海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

みなさん、こんにちは。

このブログを運営している理系しまびとです。

 

この記事では、

アメリカの海外大学院の博士課程(PhD)に進学した僕の年収(給与)や給付型の奨学金についてお伝えします。

 

はまち
海外の博士課程って給与がもらえるってホント?

 

こんな方におすすめ

  • 海外に興味のある理系学生
  • 博士課程への進学を考えている理系学生

 

この記事を読めば、

海外大学院の博士課程(PhD)に進学したときの給与と奨学金のパターンそのポイント額の範囲が理解できます。

 

結果から言うと、僕は海外大学院側からフェローシップを頂いており、年間300万円ほどから税金が引かれた額です。

日本の給付型奨学金に近いイメージをもっていただいて問題ないかと思います。

もちろん一概には言えませんが、企業に新卒で就職した多くの人よりも手取りは同等かそれ以上だと思います。

研究が好きで海外に興味がある人は、海外大学院への進学をお勧めします。

 

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海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

海外大学院の理系博士課程の学生が、生活費をカバーする方法は大きく3パターンあります。

  1. 教授(研究費)から給与をもらう
  2. 日本で奨学金をもらう
  3. 海外大学院側や留学先の国から奨学金をもらう

序盤にもお伝えしたように、僕は3つ目の「海外大学院側から奨学金をもらう」に該当します。

すべてのパターンにおいて、博士課程(PhD)の学生の授業は免除されることがほとんどです。

これら3つのパターンについて解説していきます。

 

教授から給与をもらう

【3パターン解説】海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

アメリカやドイツでは教授の研究費から、博士課程の学生に給与として支払われる場合が一般的です。

ほとんどの場合は研究だけをしていればいいという訳ではなく、基本的にTAとして授業の手伝いや学部・修士の学生の面倒をみることに対して給与が支払われます。

ただ正直なところ、教授のさじ加減による印象があります。

他のPhDの学生の話を聞いていても、簡単なTAの業務とそうでないものがあります。

 

僕が通うアメリカの大学院では、TAに対する給与が大学院で決まっており、その規定に従って支払われます。

その額は受け持つ授業の量や数、大学によっても異なります。

場合によっては、学科や研究室によって異なるかもしれません。

 

多くの場合、給与の額はアメリカの平均で年額30,000ドル程度(月額25万円程度)

給与は地域や分野、大学によって異なり、月額16万円から30万円に分布しているようです。

ここから住んでいる州によっても異なる税を引かれてしまうので、多くの場合、手取りは20万円~25万円程度のようです。

肌感としては、「現地でアルバイトなどはせずに一般学生が生活できる額」というイメージです。

 

PhDのポジションを見ていると、やはり月額20万円~25万円程度が多い印象です。

GlassdoorやLinkedinでPhDのポジションを検索すると、年額や給与がわかる場合があります。

はまち
金持ちとは言えないが、単身で生活費に苦しんでいる海外PhDは見たことがないという感じ。

 

ドイツの研究室でも、PhDの学生が授業をしていたり授業の準備をしたりする代わりに給与をもらっていました。

ドイツでも大体20万円相当の給与が支払われると思っていいと思います。

他のヨーロッパの国だと、税率も異なるので比較しづらいですが、北欧やスイスの博士課程の学生の給与は高い傾向にあるようです。

 

結論は、給与の額は大学によって異なるため受入れ先の教授に聞いてみたり大学に確認したりすることをお勧めします。

 

日本で奨学金をもらう

【3パターン解説】海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

海外大学院進学の前に、日本学生支援機構や日本の財団から奨学金をもらう方法もあります。

日本学生支援機構の学位取得型の奨学金の場合、最大月額148,000円です。

この額は、アメリカでもらえる給与や奨学金と比較するとかなり低いです。

 

僕が知る限り、日本でもらえる奨学金は最大月額25万円です。

詳しい規定は各財団に問い合わせが必要ですが、他の奨学金との併用は不可の場合が多いようです。

奨学金は倍率が高いことが多く、英語力もTOEFL80点から100点を求められます。

TOEFL100点といえば、世界トップレベルの大学院の要件も満たすことができるでしょう。

また、海外大学院進学の実現性や研究実績が問われます。

留学開始の1年以上前から募集を開始するものもあり、英語力も含めて早期の準備が必要です。

 

僕が知っている海外大学院の博士課程に進学する人向けの奨学金を紹介します。

海外大学院(博士課程)進学者向け奨学金一覧

・IELTS 北米奨学金

・フルブライト奨学金

・船井情報科学振興財団(FFIT)

・村田海外留学奨学会

・平和中島財団

・中島記念国際交流財団

・ドイツ学術交流会(DAAD)

クマノミ
これは保存しておいた方がいいかも。

 

日本で奨学金を獲得しておくに越したことはありません。

可能性のある海外大学院用の奨学金は是非トライしてみてください。

奨学金の探し方や申請書の書き方など、ノウハウはこちらのページを参考にしてみて下さい。

奨学金のノウハウ
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海外大学院側や留学先の国から奨学金をもらう

【3パターン解説】海外大学院での理系博士課程学生の給与と奨学金事情

意外と知られていないのですが、僕のように教授とは異なるルートで海外大学側もしくは留学先の国の奨学財団から受給することも可能です。

留学先の国の奨学金を探してみたり、大学のHPから奨学金について調べてみてください。

とくに大学のHPには留学生向けにも奨学金を紹介していることがあります。

 

僕の場合は、他の学生より早めに博士課程に申請することで自動的に奨学金(フェローシップ)の審査を受けるシステムになっていました。

審査と言っても書類選考のみで、特別なことをしたわけではありません。

その年によって若干変化するようですが、僕の場合年間30,000ドル程度が受給できます。

断言はできませんが、おそらく、もともと受入れ先との共同研究をしていたことや研究実績(僕の場合、第一著者で1報、第二著者で2報の論文)を出していたことで採択されたのだと思います。

(なぜなら、他の判断基準になり得るTOEFLのスコアもGREも決していいものではなかったからです....)

 

日本の奨学金を受給する場合もそうですが、海外では奨学金は名誉のあるものとして評価されます。

就職活動をする際にも、アピールポイントの一つになります。

僕が受けているフェローシップの場合は保険料もカバーされます。

さらに、大学院側から奨学金をもらう場合のメリットは、他の奨学金と併用可能であることがあることです。

また、アメリカでは学内での業務は認められており、TAなどの業務を行うとこの奨学金に追加して給与としてもらえる可能性もあります。

名前はフェローシップやスカラーシップと書いてあるけど、業務が課せられることもあるかもしれません。

奨学金によってそれぞれ規定があると思いますので、詳細は各大学に確認してみてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本で博士課程に進むよりも、高額の奨学金を獲得するチャンスもあります。

海外での大学院生活はとても楽しいですよ!

 

海外大学院の給与・奨学金まとめ

・給与としてもらう場合はTAとしての業務が前提

・多くの給与・給付額は月額20~25万円に分布し、各自確認を推進

・奨学金・フェローシップはアピールポイントにもなる

・奨学金やフェローシップには研究成果や教授との関係が重要

 

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