こんにちは、本ブログを運営している理系しまびとです。
僕は、ドイツで研究留学を行い、日本で修士号を取得後、アメリカの大学院に進学しました。
この記事では、理系の僕が海外大学院に進学した意味や理由についてお伝えします。
この記事はこんな人に向けて書きました。
- 海外大学院進学に興味がある
- 海外に住んでみたい
- もっと研究を突き詰めたい
結論から言うと、
「意味」は人それぞれですが、世界をフィールドに自由に生きるきっかけをくれると思います。
僕は国際交流が好きで、①海外に住むことに憧れがありました。
また、②特定の教授と最先端の研究がしたかったというのも、海外大学院に進学した理由の一つです。
博士後期課程の場合は、海外の方が③経済的なサポートが手厚いこともあります。
それぞれについて詳しく説明してきます。
もくじ
海外大学院に行く意味とは
そもそも海外大学院に進学する意味って何?と思う人も多いかと思います。
大学を探して、申請をして、実際に海外に渡り学位を取りに行くのは容易ではありません。
お金がかかるイメージもありますし、英語や現地語が必要になり、日本での進学より難易度は高いと思います。
大変そうな海外大学院をする意味は本当にあるのか?
海外の学位は海外移住・就職に有利
まず海外に住んでみたい・海外就職したいと思っている方向けの理由です。
修士・博士号を持っていた方が、永住権やビザ申請の際に有利に進めることができます。
理由は、国に必要な人材として認められるからです。
海外の学位を取得後、滞在期間が伸ばすことも可能です。
アメリカではOPTと言って、卒業後に就職活動をする期間が与えられます。
この期間は文系よりも理系(STEM)の方が長く、最長3年の滞在が可能です。※2020年1月現在
日本からの就職も可能ですが、現地の学位を持っていた方が有利であることは確実でしょう。
僕は将来、欧米に住みたいと思っているので、今回アメリカに留学しているというのも進学理由の一つです。
海外大学院に進学する意味の一つとして、将来の収入を見据えているということがあります。
職種や就職する場所にもよるので、一概には言えませんが、とくにアメリカのソフトエンジニアなどであれば顕著に年収が高いと思います。
分かりやすいためMITを例に挙げると、エンジニアリングの修士号取得後の給料は11100万円程度です。
いくら名門とはいえ、日本の新卒では考えられない額ですよね。日本にも同レベルで優秀な学生はいると思うのですが...
日本は好きだけど生活費に対して給料が少ないという海外の友達も何人かいました。
Wikipediaによると、2016年・2017年においてルクセンブルク、アメリカ、スイスの給与は世界トップみたいです。
日本だけでなく、海外での就職も視野に入れておいた方がリスクヘッジにもなる思います。
世界で就職することを視野に入れると、人生の選択肢が一気に広がりますよね。
国際的な環境での環境を積める
日本での就職を考えているとしても、これからの社会で国際的な環境での経験は大きなアドバンテージになると思います。
超高齢・少子社会と言われる日本では、これから海外からの労働者を受け入れたり、仕事も海外から取ってきたりするようになります。
政府側もビザの基準を緩和するなど既に動いています。そうしなければ、社会として成り立たないからです。
日本のような単民族国家において、いきなり多くの外国人労働者を受け入れるためには、日本人側も準備していなければいけません。
英語で物事を進める能力はもちろん、異文化理解や異文化コミュニケーションもとても重要です。
僕自身、交換留学や短期インターンシップも経験しましたが、海外で学位を取ることは交換留学とは難易度が違います。
現地の学生として数年にわたり長期で生活し単位を取り続けることは、精神面でも能力面でも日本の外や多国籍な環境でも活躍できる証になると思います。
海外でもやっていける能力・精神面をアピールできるようになると、これからの選択肢を広げてくれるでしょう。
海外の博士課程では経済的サポートが充実
特に博士課程の場合になりますが、経済的なサポートが充実しています。
僕はPhD Student として在籍していますが、授業免除と生活費に相当する給与をもらっています。
これは特別というわけではなく、入学するすべての学生に適用されるサポートです。
一般に日本では一握りの学生のみ、基本的にどんなに頑張っても日本学術振興会の月20万円が限度です。
アメリカの博士課程の友達だと、TAなどによる収入も含めると月40万円くらいもらっているそうです。
給与については、TAをするかしないか、大学によっても給与自体に差が出ますが、日本よりは高収入を得るチャンスが多いのは事実だと思います。
さらに、国によっては留学生を積極的に受け入れ、奨学金を提供している場合もあります。
日本国内で奨学金を獲得することは難しいですが、留学先の国の奨学金はチャンスがあるかもしれません。
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最先端の研究を突き詰める
特に博士課程のように世界最先端の研究をするようになると、分野やトピックによっては日本よりも海外の方が進んでいることが多々あります。
その分野で世界的に有名な大学だから・著名な先生がいるから、という理由で留学する人もたくさんいます。
知識やテクノロジーの面もそうですが、研究の資金面においてもアメリカやヨーロッパの方が充実していることも多いです。
アメリカの全体の研究費は日本の2~3倍とも言われ、分野によっては十数倍にもなるという話も聞きました。
研究費や実験設備が充実していると、研究スピードも上がり、より自由に科学を探求することができると思います。
もちろん、日本の方が進んでいる場合もあり、留学する必要は全くないという人もいるかと思います。
まとめ
海外大学院に進学する意味について解説しましたが如何でしたでしょうか。
これから海外で活躍したいと思っている人には、就職・移住の面での意味はかなり大きいでしょう。
日本での就職を考えても、多国籍な環境での経験は強みになります。
さらに、経験的なサポートが日本よりも充実している場合、研究においても海外の方が進んでいることもあります。
海外大学院に進学する意味は人それぞれだと思いますが、自分の可能性を世界に広げるきっかけになることは間違いないと思います。
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