理系の海外大学院

あなたに合った【研究室と指導教員の選び方】を徹底解説!

 

この記事では、理系大学生向けに研究室の選び方を徹底解説します。

研究留学する際にも役立ちますよ。

こんな方におすすめ

  • 研究室の選び方が良くわからない
  • 指導教員を選ぶのに困っている
  • 自分に合った研究室に行きたい

この記事を読み終わる頃には、

調べるべきことが明確になり、研究室の選び方のポイントが理解できるようになっているでしょう。

 

僕は日本では2つ、ドイツとアメリカでそれぞれ、1つずつの計4つの研究室を経験しました。

さらに、計5名の指導教員を経験したことがあります。

複数の研究室と指導教員を経験した僕だから教えられるポイントや視点をお教えします。

工学部(とくに材料系)に所属する個人の視点で解説しています。

 

はまち
おお、国内外でいろんなパターンをみてきたんだな。

 

どれくらい研究したい?

あなたに合った正しい研究室の選び方をする前に、モチベーションにあたるポイントをはっきりさせる必要があります。

 

大きく2つに分けるとすれば、あなたはどちらでしょうか。

「研究をしたいのか」、それとも「とにかく卒業したいのか」

 

なぜはっきりさせた方が良いかというと、ブラック研究室と呼ばれていても、研究室をしたい人には天国!だったりするからです。

現にホワイト研究室と呼ばれていても、楽をしているだけで結果を出していない研究室であることもあります。

 

とにかく学位さえ取れればいいという人や、とにかくいい環境で研究がしたいという人、それぞれの目的があっていいと思います。

それぞれに合った研究室の選び方があります。

 

研究したい人のイメージ

実験が好き

国内・国際学会に出てみたい

研究留学にも興味がある

研究実績を作って就活や奨学金に有利になりたい

 

とにかく卒業したい人のイメージ

とくに実験が好きというわけではない

経済的な問題もあるし、バイトの方が優先

できるだけ楽に卒論も終わらせたい

就職するのが最優先!

 

どちらが正しいわけでもありませんが、研究室の選び方がそれぞれ異なるもの明白です。

 

この記事は基本的には「研究をしたい人」向けに書いていますが、そうでない人にとっても研究の選び方として参考になる視点やポイントをたくさん盛り込みました。

 

研究室のチェックするポイント

研究室や大学のホームページをみて調べてみてください。

インターネットではわからない情報も含まれるため、先輩や直接先生に聞きこみを行ってください。

 

卒業生が学内で賞を獲っているか

優れた指導教員がきちんと指導する研究室では、研究成果を出していて発表のレベルも高いです。

学内で行わる卒業研究発表会では、必ず誰かが賞を獲ります。

研究の質や指導方法は大きく変わらないため、毎年同じ研究室から輩出されていることが多いです。

逆に、賞を獲っていない研究室は研究やプレゼンの仕方についてよい指導を受けられていないことが予想できます。

毎年賞を獲っている研究室を調べれば、学内で質の高い指導を受けられ、質の高い研究ができる研究室を選ぶことができます

 

ここで注意したいのは、研究時間についてです。

この研究室が他の研究室と同じ時間で、効率よく研究結果を出しているとは限りません

次のコアタイムについて確認する必要があります。

 

コアタイムはあるか

コアタイムがある研究室とない研究室があります。

コアタイムがあるとブラック研究室と呼ばれる起因になり、研究によっては非効率的にさえなります。

研究するにあたって直面するのが、待ち時間です。

論文を読むなどできることはありますが、うまく使えば効率的な研究生活になるのは間違いありません。

待ち時間とコアタイムのせいで、非効率的に時間を過ごさなくてはいけなくなります。

 

コアタイムによって研究が非効率的になる例

極論かもしれませんが、例を挙げます。

コアタイムは9時から17時まで(8時間)。

生物系の実験で5時間サイクルで実験室に行く必要がありますが、それまで特にすることはありません。

待ち時間が大部分なのに、コアタイム内だと1サイクルしか回せません。

例えば、コアタイムがない研究室では、研究する時間を9時~11時、14時~19時までとできるとします。

これなら2サイクル回せそうです。

待ち時間(11時~14時)を自分の趣味やお昼寝に使って、2サイクル回した方が良くないですか?

こっちの方が効率よく成果が出るはずです。

コアタイムによって拘束されると、特にすることがない時間まで研究室にいないといけない事態になります。

このような場合、結局9時から19時まで研究室にいることになり、ブラック研究室と呼ばれるようになったりするのです。

この時間を「研究しているふり」をして過ごすことになるかもしれません。

 

本来、コアタイムは安定した結果を出すためにあるものです。

しかし、研究はどれだけ時間を費やしたかよりも、どれだけ研究成果を出したかが評価される世界です。

研究がしたい人にとっても、したくない人にとっても、個人的にはコアタイムはない方ががベターかと思います。

しかし、学生の自己コントロールや計画力が問われるのも事実です。

研究スタイルや個人の生活サイクルにもよるので一概には言えません。

いずれにしても、研究室の選び方のポイントとして、コアタイムの有無と時間は確認しておきたいポイントです。

 

博士後期課程の学生や助教はいるか

研究室の選び方でかなり重要なポイントだと思います。

僕が実際に4つの研究室を体験して気づいた点です。

調べても出てこないような課題に立ち向かう研究では、ひとりで研究を進めるのはとても大変です。

卒業論文さえ書ければいいと思っている人でも、頻繁に指導してくれる人がいるかどうかで費やす時間と労力は雲泥の差です。

 

いくら結果を出している教授の研究室でも、教える人がいなければ十分な指導を受けられません。

教授は国際学会への出張、学内の役員を兼任していることも多く、多忙で学生に割く時間が十分にない場合があります

研究において、インターネットや本で調べてもなかなか出てこないことがたくさんあります。

専門家からアドバイスをもらうことは研究を進める上でとても重要で、自分だけで進めていてもただ非効率的です。

 

一方で、准教授や助教であっても、比較的時間があり定期的に論文を出している先生の方が十分な指導を受けることができます。

また、博士後期課程(ドクター)の学生は経験や知識も豊富で、研究のやり方から装置の使い方まで様々なことを教えてくれます。

TAはやっていても授業を持っていることはまずなく、場合によっては博士後期課程の先輩から指導教員より、よく指導してもらえます

 

また、研究テーマを含めて研究室も選ぶのがおすすめで、指導教員との相性も確認してください。

指導教員との相性で、研究が楽しくなったり、ストレスになったりすると思います。

直接会って話してみて、先生の雰囲気や研究に対する姿勢を見ておくと、性格上自分に合いそうにない先生を避けることができます。

 

選び方のポイント

必ずしも、教授の研究テーマがいいというわけではない!

研究したいなら、たっぷり指導してくれる人がいる研究室を選ぶべき。

指導してくれる人と研究したいと感じるかチェックする。

 

研究室の分野の選び方

同じ学部で専攻であっても、研究室の分野はいろいろありますよね。

特に僕が所属してる電気科には、機械系、情報系、バイオ系などたくさんの分野があります。

さらに、研究テーマも大きく「実験」と「計算」の2タイプがあります。

選び方の基本は、①自分が関心や興味があるもの、得意なもの②就職に役立つスキル(社会のニーズが高い分野)を判断することです。

自分の関心を軸にして、スキルについてはその次でいいかと思います。その理由を以下に述べます。

 

①自分が関心や興味があるもの、得意なもの

これから、その分野の一つの研究テーマに対して膨大な時間を費やすことになります。

誰だって嫌いなことはしたくありません。自分が好きな研究・興味のある研究を選んでおいた方がいいでしょう。

また、同じ学科においても、人によって得意不得意はあると思います。

ベストな選び方は、得意で好きな分野です。得意な分野は好きだったりしますが、この両方が満たせる分野がいいと思います。

 

僕は興味本位で選択してきました。

時間を忘れるほど没頭することも多々あり、そのおかげで研究成果もついてきました。

研究をする上で、まずは続けられそうな分野を選ぶことをお勧めします。

研究をしていると、壁にぶち当たるのは当たり前で、この時自分に関心がないとかなり苦痛だからです。

自分の関心と探求心をくすぐり、理想的には研究が楽しくて仕方ない!という状態になれれば最高ですね!

 

②就職に役立つスキル

社会にとってニーズの高い研究を選ぶことも得策だと思います。

具体的には、人工知能やプログラミング関係を含む研究テーマや研究室です。

少なくとも現代社会では、プログラミングスキルを持っておけば重宝されます。

しかしながら、日本の就活の傾向として修士以上でないと専門性はそこまで問われません。

修士卒であっても、研究テーマと全く関係ない部署に配属されるケースも多々あります。

 

研究テーマにもタイプがある

研究テーマにもタイプがあります。

具体的には、実験ベースか計算ベースか、それとも両方か。

僕が所属する工学系は実験ベースが比較的多く、その研究室の論文や発表を見ればわかると思います。

有名な雑誌に投稿される論文は両方の研究結果を載せている場合も多く、両方のスキルがあるに越したことはないです。

しかし、特に時間が十分にない学部での研究においてはどちらかに絞るケースがほとんどだと思います。

 

実験ベースに向いている人は、手を動かして実際にモノを作ったり、現象や作る過程を自分の目で見てみたいと思う人。

計算ベースに向いている人は、PCに向かっている時間が長くても大丈夫、手を動かすより頭で計算したりするほうがいいと思う人。

 

僕はシミュレーションの計算ベースですが、シミュレーションには時間がかかります。

なので、夜や週末も計算を走らせたりしていましたが、その間の時間は自分の時間に有効活用していました。

場所や時間に囚われないのは、計算ベースの利点です。

 

研究資金

研究には、数千万円、数億円単位の莫大なお金が伴います。

特に実験装置やスーパーコンピューターは高額です。

使える装置が多いと得られる実験データが増えて、無駄な測定が不要になったり、論文や発表に必要なデータを得たりすることができます。

 

高額な装置は大学で共有していることも多く自由に使えない場合もあります。

資金が豊富な研究室では、研究の進むスピードも上がります。

装置も研究費で買えて自由に使用することができたり、作るのめんどくさいから買っちゃおう!ということができてしまうからです。

 

資金がなければ、本来買えるはずのものを自分の手で作る必要が出てきたり、せっかくの学会に参加するチャンスがあるのに予算不足が難しいケースも考えられます。

資金は研究スピードを上げて、実績を作るうえで非常に重要です。

まずは、「科研費 (指導教員の氏名)」で検索してみてください。

 

研究実績

研究室の選び方でもう一つの重要なポイントが「研究実績」です。

とくにこれからガッツリ研究したい!という人は確認しておいてください

Google Scholarで検索したり、研究室のHPを確認することでどれくらい論文を投稿しているかわかります。

 

また、研究留学を考えている人は、海外との共同研究が現在進行形で行われているか確認しておいてください。

研究留学は先生の繋がりで行われることが圧倒的に多く、実現性も高いので、論文の共著者や先生に直接聞いてみて確認するべきです。

 

論文を投稿することは研究者として一番優先順位が高いことです。

論文を投稿していなければ、実績として認められず研究費が獲得しにくかったり、教授以下であれば昇進に大きく影響します。

在学期間中にしっかり結果を出したいと思っているのであれば、1人の教授あたり1年に1~2報は投稿しておきたいところです。

毎年、論文を投稿できているかをチェックしましょう。

 

インパクトファクターも調べた方が良い

さらに、論文にはインパクトファクター(通称 IF)というものがあります。

この値は、他の論文にどれくらい引用されているかを示し、引用されているほど高いです。

ゆえに、どれほどのインパクトを与えているかをはかる指標の一つです。

論文の数のみでは判断しづらい部分もあるため、インパクトファクターもセットで調べておくといいでしょう。

なぜかというと、極論ですがお金さえ払えば投稿できるような雑誌もあり、論文投稿と言ってもピンキリだからです。

 

インパクトファクターについては、基本的にはこのIFが高いほど論文投稿が難しく、高く評価される傾向にあります。

インパクトファクターが10を超えるような比較的高い雑誌に投稿している研究室は、質の高い研究をしていると言えます。

論文が定期的に出ていれば、そこまで気にする必要はないかもしれませんが、インパクトファクターが20~30を超えるような雑誌に毎年投稿していれば、世界的に見ても有名な研究室だと思います。

ただ、研究分野や応用寄り・原理寄りの論文かによっても引用数は変わってくるので、興味がある分野やテーマの研究室を調べて比較してみるといいと思います。

インパクトファクターの値は「IF (雑誌名)」で検索すれば、すぐに出てくるでしょう。

 

他分野(コンピューターサイエンス系)の友人の話を聞くと、論文よりも学会発表の方が重要視されるという話も聞いたことがあります。

成果として出しておくに越したことはないですが、分野にもよるようです。

目安として頭に入れておきましょう。

 

最後に

研究室の選び方について、そのポイントを紹介しました。

研究を頑張って実績を残しておくと、給付型奨学金の獲得やその後のキャリアにとても良いアピールポイントになります。

 

研究室選択を間違えた...と後悔する人も少なくないので、できる限り情報を集めてから決断したほうがいいと思います。

学部卒でも1年近く関わり、最終学年の辛さや楽しさは研究室選びにかかっていると言っても、過言ではないです。

特に、博士課程進学を視野に入れている場合は、変更しなければ5年以上関わることになるので、研究室選びがかなり重要になります。

書籍であれば、「理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで」という本を読んでみるといいかもしれません。

研究室選びから脱線した内容もありますが、研究テーマの決め方から留学まで研究生活を網羅して解説してあります。

 

参考書籍

 

はまち
頑張った分だけ、経済的な支援も受けられる可能性が高まるぜ。

研究実績と奨学金は密接に関係しており、研究室選びから奨学金の獲得が影響しています。

奨学金について興味のある方は、こちらのページも合わせてご覧ください。

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